■ 抄録・要旨
| 中国では近年自動車が急速に増加し、内陸部においても都市の幹線道路は渋滞が著しく、大気汚染が深刻な問題となっている。そこで、中国内陸部の大都市の一つである湖北省武漢市において、大学生を対象に肺機能検査を繰り返して実施し、大気中粒子状物質(PM)濃度及び炭素成分(EC、OC)との関連を検討した。測定は各季節約2週間ずつ実施し、PM試料を屋内外で24時間単位で採取し、分析した。肺機能とPM濃度の関連は、男子では春季・屋内外のPM2.5、冬季・屋内のPM10-2.5で有意な関連が観察されたが、女子では有意な関連は見られなかった。また、屋内PM2.5のEC濃度について、冬季の男女、春季の女子で有意な関連が見られた。屋外PM2.5のEC・OC濃度については、冬季の男子に有意な関連が見られた。
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